Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lee 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 577.271 caracteres · 1141 pantallas
秩父異教国
なお、九兵衛の話によると、日本左衛門も同じ夜に山越えの方角をさして落ちたというので、つい一日のばしに待っていたわけです。
ところが、九兵衛が一行に加わって以来、稲吉も日本左衛門も、遂にこの信玄の隠し湯に追いついては来ませんでした。
「稲は召捕られたな」
雲霧はこう覚りました。
「だが、親分はどうしたろうか。秩父へ越えるとすれば、当然ここを通るはずだが」
と、四ツ目屋は、時折つぶやいて、小屋の前に半日も立っていることがある。けれど、この往還ばかりは、一日立っていても、ひとりの旅人を見ることさえない日が多いのです。そして、金峰や木賊に冷たい霧がながれてくるたびに、山は秋に染められてゆきます。
「九月のなかばになると、もう金峰の上には霙が来るッていうぜ。いつまで待ち合していても果てしがねえから、明日あたりは、立とうじゃねえか」
「そうさ、親分のことだから、あのおっとりとした様子で、わざと本街道へ出たのかも分らねえ」
「それとすれや、もうとうの先に、江戸か上総へ行きついて、あべこべに、おれ達の遅いのを案じているかも知れないな」
「どっちにしても、もうほとぼりもさめたろうし、長居は無用だ、立つとしようぜ」