Clásicos japoneses con furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lee 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 577.271 caracteres · 1141 pantallas
「はい、夜光の短刀さえ手に入れて参りますれば、すべてのことは、船のカピタンが心得ていてくれます」
「夜光の短刀の方のことは、もう私の物になったのも同じだよ。なぜかってヨハン、これを見ておくれ……」
「おっ……これは樟板の半分」
「私の手にある図面と合せて、これでピッタリと吹上の何処にかピオの遺品が埋めてあるかが分るだろう」
「図面がそろえば、一目で分明しなければならないはずです。ど、どれ、お見せなさいませ……」とお蝶の齎したそれと、手許にある半分とをつぎ合せて、二人が眼をこらし合っているらしく、帳の隙から弱い燈火がそこに声もなく揺れている。
「ウーム、おれは何という愚か者だろう。お蝶のような小娘の手くだに、今日までうまうまと乗せられていたのだ」
鉄窓の外に体を屈していた日本左衛門は、思わず心のうちでうめきました。先には、お粂に苦い経験をなめさせられ、今またお蝶に首尾よく騙されたばかりか、樟板の秘図まで彼女にシテやられたのです。
元々、彼はお蝶というものを、一個の不良少女ぐらいにしか思っていない。それが、夜光の短刀を目がけていたり、牢の中のヨハンが糸をひいていようなどとは、今初めて投げつけられた驚愕です。