Clásicos japoneses con furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lee 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 577.271 caracteres · 1141 pantallas
はじめて聞かされた父の系図。
祖先を思うときに現実の自分はひとつの不思議な存在であります。
お蝶もまたわれとわが身を疑いなくしていられません。
ヨハンのいうが如く、父の二官が羅馬の一王家を興すたッた一人の血筋であるとすれば、その人の亡い次の血は、異国にこそあっても、当然、自分ひとつの身に遺されて、自分は王家の姫である。
咄嗟――この場合ではありましたが、お蝶はその話に一種の羞恥を覚えて、そしてまた一方では、
(そんなはずはない! そんなはずはない!)
と聞くそばから否定して、
(わたしはいやしい山屋敷の囲われ者、人にいみきらわれるころびばてれんの娘――羅馬王家の血筋とやら、貴族の姫とやら、そんなわけがあるものじゃない)
と、思いました。
けれどヨハンの話は、諄々と説いておそろしいくらいまじめです、真剣です。
「わかりましたか、お蝶さま」
いつまでも彼女の腕を放さない。
決して、うわの空に出る一言一句とも思われません。
「――そこで私の素性を申しましょう。私はさっきもいったとおり、王家の従僕でございます。代々の家来でございます。ところが夜光の短刀をさがしに、日本へ渡来された二官殿が、幕府の手にのッてころんだ上、名も今井二官と名のり、妻をもち子までもうけて、帰化しているという噂が、本国の法王庁へまで聞えてまいりまし