Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Lee 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 577.271 caracteres · 1141 pantallas

Aozora Bunko

ジロジロと辺りを見ながら何か思案をしている風でもあります。何者かと思うと、それはまぎれもなく日本左衛門。

切通しで、万太郎と金吾の為に、折角な場合を邪げられて姿を消したが、かれは、それで諦めて帰るような人間ではない。一時、棟梁屋敷の石塀をこえて、ポンと、中へ姿をかくしたのは方便で、金吾と娘のあとをつけて、遂に、切支丹屋敷のそばまで見届け、その金吾よりも一足先に、提灯の印でそれと知った尾州家の邸内へ、先廻りをして潜んでいた――というのが、あれからの日本左衛門の行動でした。

目的の娘が、切支丹屋敷へかくれたまで見届けたなら、何も、危険を冒して、こんな尾州家の奥深い殿中まで、忍んで来る必要がないように考えられるのは、善良人の思いそうなところで、盗賊心理はまた別であります。

では、日本左衛門、ここへ何しに来たのかというと切通しでブマをした腹いせに、その意趣返しをしに来たものに相違ありません。

復讐! あだをしてやる!

すべて盗賊は仕事の上に、その快味をも忘れぬと言います。本来の物盗り以上に、仕返しはかれらの血をわかせるもの。しかも、今夜のことは、相手が尾張中将の七男徳川万太郎。