Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lisez あさひの鎧 (あさひのよろい) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 239 520 caractères · 475 écrans
「それもそうだな、ではソロリと……何を馬鹿な、たかが知れてる! えい開けろ! 開けろ開けろ!」
「ではソロソロあけまする」
頤髯の男は大鉞を、頭上に高くふり冠った。
が、もう一度嚇してみようと、そう思ったように範覚の方へ、ジロリと視線を送ったが、
「よろしゅうござるかな、ガ――ンと一撃! と、世にも恐ろしいものが……」
「まあ待て待て、何だそいつは?」
「ただもう世にも恐ろしい……」
「虎か? 唐土の……獅子か? 天竺の……」
「なかなかもちましてそんなものでは……」
「フーン」
と云ったがまた一足下がった。
「申せ申せ、正体申せ!」
「ガ――ンと一撃いたしまして、そのものが飛び出して参りましたら、おのずと解るでござりましょうよ。……さあ一撃! 命の用心!」
ギラギラと光る鉞を頭上で縦横に振り廻したが、
「イヤ――ッ」
ド――ッと一撃した。
「それッ」
と範覚が真っ先に逃げ、つづいて警護の武士たちが逃げ、群集たちもバラバラと逃げた。
檻の戸は微塵に砕かれた。
檻は大きい黒い口を、ワングリと開けて陽を吸っていた。
が、何んにも出て来なかった。
しかし人々は気味悪そうに、その口ばかりへ眼を集めた。