Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ごべんのつばき
五瓣の椿
山本 周五郎
Lisez 五瓣の椿 (ごべんのつばき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 149 721 caractères · 296 écrans
「いそぐんだ」と彼は云った、「ほかにも用があっていそぐから、すぐ来るようにもういちど云ってくれ」
お初はおりていったが、それからさらに四半刻の余を経って、ようやくおかねがあがって来た。すっかり酔っているようで、眼の中まで赤く、髪の根もゆるんでいるし、着物も前さがりに着崩れていて、よろよろしながらはいって来るとき、下っている裾を踏んであぶなく転びそうになった。
「ごめんなさい、飲まされちゃったのよ」おかねは火鉢の脇へぺたりと横坐りになり、ほつれかかる髪の毛を、うるさそうにふうと口で吹いた、「あら、なんにも来てないのね、しょうのないお初だこと」
「今日は二十一日だ」と彼は遮って云った、「私は帳合に来たんだ、今日が帳合をする日だということはわかっている筈じゃないか」
「あら嘘よ」おかねはにらんだ、「今日は二十日じゃないの、二十一日は明日だわ」
「今日が二十一日だ」
「二十日ですよ」
得石は矢立から筆を抜き取り、墨壺をあけた、「いいから帳面と金箱を持って来い」
「そんなこといま急に云われたって困るわ、二、三日こっちいそがしくって帳面どころじゃなかったし、それに、ああそうだ、あなたが来たらお願いするつもりでいたんだわ」