Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ごべんのつばき

五瓣の椿

山本 周五郎

Lisez 五瓣の椿 (ごべんのつばき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 149 721 caractères · 296 écrans

Aozora Bunko

十

「盃がお留守よ」とおみのが云った。

十

「女は子が生みたいと云い続ける」彼は酒をぐっと呷った、「あんまり諄く云われるので、つい治療の度を越しちまった、あのときは私ものぼせてたんでしょうな、それが身ごもってしまったところ、亭主は若いころ病気を患って、医者から子はできない、と云われていたんだそうです」

「嘘か本当かわかりゃしない」と彼は片方の手を振った、「たとえ本当だとしても頑張ればいいのに、女はすぐあやまってしまった、ええ、私のところへ来てそう云ったんです、そのとき女は云いましたよ、――生れて初めて、芯そこからのよろこびを味わった、責め殺されても本望だって」

「そのとき死ぬつもりだったんですね」

「それから十日ばかり経ってからです」

得石は肴を摘もうとして箸を持ったが、手許がきまらず、塩焼きの鯛がむしれないので、すぐに箸を置き、乱暴に酒を呷った。

「女は私の名を出さなかった」と彼は云った、「瓦版が出ましたが、ただ密通としか書いてなかった、お読みになりましたか」

「読まなかったわ」

「書置もなかったんでしょうな、私のところへ、治療にかよっていたことは、もちろんわかっていた、だから亭主は私のことを疑っていたようだが」