Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ごべんのつばき

五瓣の椿

山本 周五郎

Lisez 五瓣の椿 (ごべんのつばき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 149 721 caractères · 296 écrans

Aozora Bunko

三

と与助が説明した、「こちらの明りを強くしない限り、向うに気づかれる心配は決してございません」

罪な仕掛をするものだ、千之助はそう思ったが、口に出してはなにも云わなかった。

三

江戸市中で客を泊めることができるのは、宿屋のほかに新吉原、品川、内藤新宿、板橋の四カ所だけである。しかしそれは表向きの話で、時と場合によれば、小料理屋で泊ることができる。こういうことはいつの時代でも同じだろうが、特に、芝居や色街の近く、また、まわりの閑静な場所にある料亭では、逢曳きを目的に来る客が少なくないから、たとえ泊らないにしても、それに応じた造りの小座敷や、必要な支度の揃っていることは通例であった。そうしてまた、隣りからそういうことを覗くという、癖の悪い客があり、そんな客のために特殊な仕掛のある店がある、ということは、与力という役目柄で千之助もまえから聞いていた。

――人間というやつは奇妙な生き物だ。

下卑た、いやらしいことには違いない。覗かれる者の身になれば赦すことのできない屈辱であろう。だが、これもまた人間だけの持つ欲望と知恵であることも慥かだ、と千之助は思った。

「もう来るじぶんです」