Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ごべんのつばき
五瓣の椿
山本 周五郎
Lisez 五瓣の椿 (ごべんのつばき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 149 721 caractères · 296 écrans
「その眼だ」と彼は云った、「その殺し文句といまの眼つきでいつもこっちは骨抜きにされてしまう、おみのさん」
得石は盃を持ったまま、左手を伸ばした。おみのはやわらかにその手を避け、「だめ」とにらんでかぶりを振った。
「ひどい人だ」と彼は怨めしげに云った、「こんなに私をのぼせあがらせておいて、いざというときになるときまってすりぬけてしまう、私のことは根から葉までさぐりだしていながら、自分のことはなにもうちあけてくれない、――いどころさえ教えないんだから、いったい貴女はどういう気持なんです、ただ私をからかっているだけなんですか」
「ほんとのことを云いましょうか」おみのは微笑しながら、ながし眼で彼を見た、「――あたし今日は、どうなってもいいつもりで来たんです、二階にもそのつもりで、支度をするように頼んでおいたのよ」
「それが本当なら」
「いいえだめ」おみのはまたかぶりを振った、「先生は約束を守って下さらなかったでしょ、あんなに固い約束をしたのに、それを守って下さらないとすれば、あたしだって考え直さなければなりませんわ、女にとっては一生のことですもの、そうじゃなくって、先生」