Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

けんなんじょなん

剣難女難

吉川 英治

Lisez 剣難女難 (けんなんじょなん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 243 807 caractères · 482 écrans

Aozora Bunko

折から、バラバラとこぼれてきた大粒の雨足が、疾風の前ぶれぞと思う間もなく、ドーッと川波を蹴荒していった一陣の異風、途端に、水神の森から、空を真ッ二つに裂いて走った稲光り。

その時、二人の強敵に気を奪られていた生不動の後ろから、するすると迫って行ったのは、笊組の廻し者金井一角、寄るより早く、声もかけずに、

「むッ」

と一息、力の限り斬り下げようとした間髪、その手に跳びかかって、組みついてきた何者かがある。

「邪魔だッ」

「己れ卑怯であろう」

「む、貴様は春日新九郎だな。及ばぬ腕で邪魔立てすると、その細首を引ンねじるぞ」

「やわか!」

と新九郎は、恩ある生不動の危機と見て、猛烈に一角の喉輪を攻めつけた。その猪突によろりとなった金井一角は、新九郎の腰帯を掴んで、身をねじかえそうとしたが、刹那、既に片足を船板から踏み外してしまっていた。

「あッ――」

というのも浪飛沫の底へ、シッカと組み合った二人の体は、たちまち、荒れ狂う濁流の底へ見えなくなった。

五

流れて行くのか、下へ下へと沈んでゆくのか、新九郎はその瞬間夢中だった。ただ、一角の襟をつかんだ双手だけは離さなかった。