Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

けんなんじょなん

剣難女難

吉川 英治

Lisez 剣難女難 (けんなんじょなん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 243 807 caractères · 482 écrans

Aozora Bunko

が、何せよ、五体ままならぬ重蔵、ともすると、鉄壁の構えに一毛の破綻を生じて、無念や、一ヵ所二ヵ所と、虚無僧衣を染めてゆく、掠り傷の血痕が増して見えた。

「もうこっちのもの」

と、玄蕃が密かにニタリとした時、不意に、どッと此処へ雪崩れ返ってきた先の人数は、嵐に追われたように八方へ逃げ隠れた。玄蕃は恟ッとして、

「何か」

と振り顧った時、目の前へすっくと立った怪偉な武士、この態を見ると、

「虚無僧、助太刀してとらすぞ」

一声投げて、驚く玄蕃の真ッ向へ、さッとはげしい太刀風を鳴らしてきた。

「やッ?」

大月玄蕃は、その姿を一目見るなり、色を失ってバラバラと逃げ出した。残された大草額平は、重蔵の追撃に退くこともならず、戸惑いしているところを、やッと一声、後ろから斬り下げられ、更に、重蔵に胸板を割られて、とばかり血煙りの中に斃れた。

「侍の分際として卑怯な奴どもではある。虚無僧、深傷は受けなかったか」

「これはどなた様か、ご助勢忝のうござります」

「清水を尋ねて、早く小手の掠り傷をお洗いなさるがよい。おお、ちょうど拙者が持ち合している傷薬、これをおわけ申そう」

印籠の秘薬をとって、掌にのせた黒髯の武士は、その時、ふと自身の前に両手をついている瞳とばッたり見交わして、