Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

けんなんじょなん

剣難女難

吉川 英治

Lisez 剣難女難 (けんなんじょなん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 243 807 caractères · 482 écrans

Aozora Bunko

「おおウッ」

と、獣の如き喚きをあげ、剣前何ものも無碍、いきなり新九郎の平青眼を踏み割るが早いか、さっと、脳天から褄先へかけて斬り込んできた。

「来たれ――」

と、既に心得ていたらしい新九郎の片はずし。流電の剣を横に払って、太刀風鋭く、小野派乱行の斬り返し、

「えいッ、えいッ、えやッ」

息もつかせず大円房を追いつめた。が、彼は、

「小癪な青二才め、いつか人並みな真似ごとをするようになったな――」

くらいに思ってか、少しも慌てず、虚実、鮮やかに受け払って、最後に、新九郎の疲れを待つらしい、老獪場馴れの曲者。

「新九郎! もう汝の面は死相に変ったるぞ」

一声、浴びせかけた冷罵を機ッかけに、阿修羅の怪勇、鏡智流自在の腕前を、一度に現わしてきた切ッ尖の鋭さ――

「見ろ、さすがは大先生。それに引き更えて、あの素浪人のしどろもどろの態はどうだ」

覚明の後ろに控えていた二人の弟子山伏は、聞こえよがしに云い放った。

侍女たちは色を失う。御方ならずとも、美男の方に勝たせたいと祈る女の心理は一つらしい。が――勝負の形勢は、ここ逆転して、今にも危うく見えたのは新九郎の命。

彼の剣はただ火だ。