Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

けんなんじょなん

剣難女難

吉川 英治

Lisez 剣難女難 (けんなんじょなん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 243 807 caractères · 482 écrans

Aozora Bunko

ちょうど小雨がこぼれて来たし、各※(二の字点、1-2-22)裃袴なので、同じ邸内のお長屋へ帰るにしても、傘よ履物よと誰彼の名を呼んで犇めいている。

物蔭に屈んで、新九郎がふと見ると、その人々とはやや懸離れた廊下に、黒龍紋の裃にきらびやかな袴をつけた侍が、今詰部屋から取って来た一刀を左手に提げて、奥庭の雨景をうっとり眺めていた。

姿こそ、昨日の素枯れた浪人とは、生れ変ったように違っているが、たしかに、それは大月玄蕃だ。――玄蕃は五、六年目ぶりで、思いがけない栄達に巡り会って、その満足と誇りに自ら酔っているのであろう。

「ウーム、いたな!」

新九郎はジリジリと、蟇のように身を動かした。そして、思わず刀の柄を折れよと握り締めていたが、ふッと思い返してまた後退りに体を隠した。

「ここではまずい――」

そう思ったのだ。

そして、しばらく様子の変化を待っていると、他の者は召使の迎えもあり、馴染みの小者もあるので、傘や履物を調えさせて長屋へ戻って行くが、玄蕃は江戸詰の小者にまだ知られていないので、やや当惑しているのだという風が読めた。

新九郎は、笠を眉深にかぶり直して、こっそり退出所のまえへ紛れた。