Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
Lisez 剣難女難 (けんなんじょなん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 243 807 caractères · 482 écrans
口上はいかにも穏当な調停に似ているが、実は非常な強迫を含んでいる。
なぜかと言えば、京極家贔屓の喬朝が、決して公平である筈がない。殊に、これくらいなことで、一にも将軍家、二にも将軍家とお上の名を振りかざしてくるのは、老中の職権にあるぞと言わんばかりな威嚇でなくて何物でもない。
と言って、売られる喧嘩を買うことには、言い分も立つが、老中の調停を退けて、京極家と血の雨を見ることは、自ら非を求めるようにもなる。
忠房は、家臣が応接している使者の口上を、襖越しに聞いていた。そして、とにかく、こう答えさせて使者を返すことにきめた。
「今日は他に取り込みごともござりますゆえ、いずれ明朝には、必らず当人に腹切らせて首をお渡し申すでござろう」
それを聞くと、使者は、余りたやすく要求をきかれたのに、かえって不安を覚えたらしく、
「では、明朝は相違なく、拙者と京極家の者が立会いに参りますが、ご異存はないのでござるな」
「承知いたしました。きっとお待ちうけ申しまする」
「神妙なご挨拶、定めし、御老中にも満足なさることでござろう」
とは言ったが、使いの者は、案外腰の脆い松平家の態度に呆れもし、またいささか疑念をも抱いて帰った。