Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

けんなんじょなん

剣難女難

吉川 英治

Lisez 剣難女難 (けんなんじょなん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 243 807 caractères · 482 écrans

Aozora Bunko

六

「ヤッ、耳の後ろに痣が? オオ! 新九郎殿、それこそ拙者が七ヵ年の間、尋ねに尋ねてお行方を求めていた富田五郎左衛門先生! すなわち、富田三家を生み残された当流のご開祖じゃ」

「ええ、ではあのご老体が? ――」

「まぎれもなきこの自斎の恩師、そも拙者がお授けうけた伝巻に依って、無極刀、太極刀の二秘法は会得いたしたが、清明心極の疑惑になやみ、何とぞそのご解受をうけんものと、尋ねあぐみながら今もってついに巡り会えぬ心極の秘法」

「では自斎先生が永の年求められていたのは、清明心極の疑義でござりましたか」

「いかにも、それを授けられた其許こそ武運に恵まれたご果報者じゃ。ああ、なつかしや老先生……それと知れば心極の太刀で、今日新九郎殿に打ち込まれたのは、その昔先生からお手をもって打たれたような心地がいたす……」

計らざりき、二人は知らぬ間に、同門の兄弟弟子となっていたのだ――新九郎は、改めて「剣秘不識篇」の情けの書を、鐘巻自斎の手に返した。

それには、新九郎の筆で、老師から口伝をうけた心極刀の秘密がすッかり書き加えてあった。自斎が七年の熱欲もここに達し、富田三秘の剣、無極、太極、心極はこれで彼の手にも完全した。