Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 187 841 caractères · 376 écrans
秀吉の母と妻の寧子とは、廓内の一邸に住んでいたので、旅装もそう暇どらなかった。
数日ののち、今浜から蜂須賀彦右衛門の一行が着いた。迎えの役としてである。老母と寧子は塗駕籠に乗せられた。前後についてゆく将士の装いも平和である。百人にちかい行旅の列には、女人もあり童女もあり、沿道の畑からながめると実にきれいだった。
「岐阜の御城下を通していただくことじゃ。そなたは秀吉の妻として、信長様にお目通りをねがい、日頃の御恩をよくお礼もうし上げねばなるまい」
前もって、母からいわれていることである。寧子はそれがとても重任のここちがして、それのみが苦労になっていた。――岐阜城へあがって信長の前に出たら、身がふるえてなにもいえないのではなかろうかと。
けれど。
その日が来て、母を旅舎にのこし、ひとり種々な土産ものを携えて、いざ、岐阜の殿中へあがってみると、心がすわったというものか、取り越し苦労はわすれていた。
それに、初めて仰いだ主君が、想像のほかで、どんな話も気さくにするし、
「そもじも、筑前の長い留守をあずかり、老母への孝養やら、何かと、骨折りであったろう。いや、それよりも、淋しかったであろう」