Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 197 228 caractères · 394 écrans

Aozora Bunko

と相かわらず帷幕に務めて、少しも倦むところがない。

けれど、病身ということは、厳然たる事実である。いかに彼の精神力をもっても、或る程度以上はそれを克服し得るわけもない。

但馬からここへのあいだ、行軍中に豪雨の日がつづいた。その無理が出たのであろう、平井山に陣地をかまえてから、

「風邪気味」

と称して、秀吉に顔を見せない日が二日あった。

病の篤い日は、秀吉に顔を見せないのが、半兵衛の常であった。心配をかけまいとするのであろう。秀吉にはわかっている。

しかし、この数日は、昼間、笑顔さえ見せていたので、秀吉は久しぶり月下に膝をくんで語ろうとしたのであるが、月の光のせいばかりでなく、やはりまだどこかに勝れない色が彼のすがたに見えてならない。

主君の秀吉も、友の黒田官兵衛も、こうして一つ莚に月を賞しながらも、共に自分の病を気づかっていてくれるらしい容子を察して、

「おお、忘れていた……」

と、半兵衛重治は、わざと、急に思い出したように、話をよそへ紛らして、

「官兵衛どの。昨日、国許の家臣から参った消息によれば、御嫡子の松寿丸どのには、いよいよ健やからしく、また、馴れぬ周囲の者にも、ようやく懐いて、息災でおられる由、御安心なさるがよい」