Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 197 228 caractères · 394 écrans
羽翼を殺ぐ
「おもしろいものだなあ。世のなかとは」
天井を仰いで、思わず声を発すると、声は虚音と化して洞然とひびいた。
おもしろい世の中。
それも毎日がここのように真っ暗では、彼とても、如何とも興を感じようがあるまい。
やはり虚あり実あり、色相あり、空相あり、怒りあり、歓喜あり、信あり迷いある所こそ、世の中というものである。
が、彼は以来、幾十日も、それから隔離されていた。
羽翼を殺ぐ
寄手の陣容は完くできている。
伊丹、高槻、茨木の三城を対象として、その包囲形は、
――いつでも。
の姿勢にある。
にもかかわらず、天野山の本陣からは、いっこうに「かかれ!」の令が出なかった。諸陣、しびれを切らすほど、毎日が無事だった。
「なんの沙汰もないわ。いまもって」
これは信長がきょうも二度まで口に出したことばである。彼が待ちぬいているものは、将士が待ちしびれていることとは反対なものだった。
織田家の立場というものは今、中国や関東方面や北越をべつとしても、この畿内においてすでに、非常に危ない複雑さをもっている。――能うかぎりはこの際この地域において、事を構えたくない、火の手を出したくない。