Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 197 228 caractères · 394 écrans
財吏
「あざやか。――実にあざやか」
「天才である。氏真どのは」
公卿たちはみな褒め称えたが、信長はあとで、侍臣にこういったということである。
「あわれ、今川氏真をして、鞠を蹴る伎の十分の一でも、文武に心を入れていたら、可惜、洛陽に余伎の人となって、諸人の見世物には曝されまいものを……。祖父以来の駿、遠、三の三ヵ国を他人に取られて、ただ一個の鞠をいだき、得意がっておるあの容子は……さてさて、見るもなかなか不愍であった」
財吏
徳川家康は、ことし三十四歳、その後は、浜松の城にいた。
子の三郎信康も、はや十七となった。信康のほうは、岡崎に在城している。
むかしからのことだが、相かわらずここの士風は土くさい。京風の華奢軽薄な文化はとんと入って来ない。いや入れないのであろう。
君臣の生活も、一般の風も、時代や流行の影響なく、依然として三河色だ。地味で質実でひとえに節約を旨としている。たとえば婦人の服色でも、眼を刺すような色柄は見られぬし、髪ひとつ結う紐にしても、費い捨てにしていないのがわかる。男の服装はなおさらで、茶、暗藍色、せいぜいが小紋か霰ぐらい。
律義者の子だくさん、という諺のように、この国の特徴は、どこの軒からも嬰ン坊の声がよくすることである。