Classiques japonais avec furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 197 228 caractères · 394 écrans
安土
と、変りなく相見した。
播州の赤松とか、別所とかいう地方的な武将も見えている。――総じて、招かずして来た者である。一回は一回よりも、そうした出迎えは彼をめぐって洛中にあふれた。
信長が滞在しているということだけで、京都はさながら毎日が祭りか正月のようであった。民衆のなかにこぼれてゆく金も莫大であった。何よりもまた禁裡の瑞気や堂上たちのよろこびが民心に映った。その民衆は口をあわせていう。
「ようやく、これでわし達の、親柱が立ちそうじゃ。やがて天下は、信長様で治まるだろう」
十月に入ると、信長は、妙心寺で茶会などひらいた。堺や京の数寄者が大勢集まった。いつか秀吉が、信長にささやいて、
(あれは大した名茶碗ですな)
といった堺の宗易――利休も来て、茶を点てた。
安土
天恩は、信長に厚かった。
大納言に任ぜられたのはつい先頃であったが、近くまた右大将に官位を進められた。
大将拝賀の式は、十一月、宮中で盛大に執り行われた。文武百官式の陣坐をめぐって、朝廷の御稜威と、彼の栄光を祝して、万歳をとなえた。その旺んな景観は、前代未聞と噂された。
――忝ナクモ天子ヨリ御土器ヲ頂戴ナサレ、上古末代マデノ面目コレニ過グベカラズ