Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 197 228 caractères · 394 écrans

Aozora Bunko

あらかじめ、彼の胸にも受信の用意があるものにちがいない。読み下してゆくうちに、その顔にもただならぬ色が動いた。

「……?」

が――しばらくは決しかねて考えているふうだった。凛々と、夏近い若葉青葉に、逞しい声して鶯が啼きぬいている。

勝頼は、その若いひとみを、きっと窓外の天へ向けていたが、

「心得た。――返辞は、それだけでよろしかろう。その方より答えてやれ」

と、いった。

跡部大炊介は、はッと、彼の面を見あげ直して、

「そのように申し遣って、よろしゅうございますか」

と、念を押した。

勝頼はもう決然と、

「よしッ。天の与えたもう機を逸してはなるまい。――ただし、使いは不安ない者であろうな」

「もとより大事の大事。お気づかいなものではございません」

「遺漏はあるまいが、ぬかるなと、書中、申し添えてやれよ」

「承知いたしました」

大炊介は、文殻を返していただくと、ふかくそれを懐中に秘して、また倉皇と退って行った。

私邸へではない。

館の内の一棟のほうへ。

そこは、他国の使臣や、諸方に放ってある諜者などが、よく迎えられるところで、本丸やこの曲輪とも絶縁された一秘閣であった。