Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 197 228 caractères · 394 écrans
その雑然たる音階は、罵るごとく、嘲るごとく、蔑むごとく、笑うごとく、一種不思議な交響を町中にひろげて行った。
「けだものが行く。けだものが送られて行く」
「けだもの囃子。けだもの囃子」
石を投げるもの、唾するもの、子どもまでが真似て、
「ひとでなしッ!」
と、さけぶ。
役人も止めないのである。もっとも止めたら、民衆はもっと激昂して抗争を捲き起すかもしれない。――こうして浜松中を曝されたあげく、さらに岡崎へ行って同じように城下を引き廻された。
さいごには、弥四郎の首に板をはめて、両足の筋を断り、城下の辻に生きながら首だけ出して埋められた。側には、竹鋸がおいてあるので、往来の旅人まで憎んでその首の根を挽いたという。
いかに不義を憎むにしても、ちと惨刑のようだが、大賀弥四郎もさいごまで太々しいところを見せている。彼のため、ことごとく斬刑に処された念志ヶ原の刑場を通ったとき、彼は馬の三頭からあたりを見まわして、
「みな先に行ったか。おれは殿軍とみえる。先とはめでたいものよ」
と、呟いていたという。
けだもの囃子がすむと、庶民はもう忘れたような顔していたが、家康は胸のうちで自分の不明を責めていたにちがいない。