Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 176 911 caractères · 353 écrans

Aozora Bunko

泣虫甚内

この新都市の一月か半月の変化は、他地方の十年二十年にも勝る発展ぶりである。破壊も一夜になされるが、さて、建設となれば、建設もまたなせば一日にしてなるものよ――という驚歎を抱かずに、そこは歩けない。

仰ぐと、黄金の甍、白碧の楼台、大坂城の大天守閣は、市のどこからでも見える。三郎兵衛は田舎者のように、大路小路を迷って、ようやく、脇坂甚内の邸をたずねあてた。

泣虫甚内

塀土は真白く、木の香も高い新邸である。しかも主はまだ三十がらみ。以ていま、新興の都府大坂と、秀吉勢力の推進力が、どの辺の年配の人物にあるかがわかる。

「拙者が、脇坂ですが」

「甚内どのでおわすか。それがしは、北畠家の老職、滝川三郎兵衛で」

「お名は伺っていました。信雄卿のお老職が、不意のお訪ねは、何御用ですか」

「武人の煩悩。――語るもお恥かしいが」

「煩悩といわるるは」

「恥をしのんで申しあげる。……実はてまえの老母のことでおざるが」

「ああ、御老母の身か。……ならば、決して、お案じあるな。主人筑前様から申しつかって、質人たる御辺の母堂を、拙者のやしきにお預りいたしてあるが、及ばずながら、御面倒は見てあげておる。