Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Lisez 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 496 caractères · 368 écrans
「軍用金の隠匿所は、幸い誰にも荒されず、全く無事にございます。……ここでござる!」
とそう云った。
それからしばらく時が経った。
北側の出口の内側に立って、出口の方をうかがいながら、兵庫と右内とは囁き合っていた。
「大勢出口にいるようでござるな」
「さよう大勢いるようでござる」
「が、いったい何者でござろう?」
「とんと見当つきませぬな」
「うかつに出て行って咎められ、それからそれへと探られて、軍用金の隠匿所などを、発見されては一大事じゃ」
「ともかくもこっそり行って見ましょう」
二人は岩壁へ体をつけ、松明の必要はなくなっていたので、その松明を地へすてて、忍び足して進んで行った。
出口に屯ろしている者は、紀州藩の武士たちであった。
しかも何んと意外にも、その中には刃三十郎と、菊女とが雑っているではないか!
一方梶子と民弥とは、ほとんど気息奄々として、辿りついた石棺の一つに縋り、尚ももがき苦しんでいた。
と、不思議にもどこからともなく、すがすがしい風がほんのわずかではあるが、洩れて来るように感ぜられた。
「民弥様、風が来ます」
「風が来る! 私にも感じる!」
「でもどこから? どこから来るのでしょう?」