Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
Lisez 石狩川 (いしかりがわ) de 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 253 535 caractères · 506 écrans
「お寄りあいの模様じゃな」
阿賀妻のくぼんだ眼が赤くひかった。
そこの表の間にいた五六人の藩士たちを、彼は見わたしたのだ。計画された何ものかを見て取った。彼らは土間に立ってひと塊りになって頭をさげていた。そして彼らが顔をあげるまでのまことに短かい瞬間であった、――あお黒い阿賀妻の頬に血がみなぎって来た。彼は肩をつきあげるようにして云った。
「お揃いで、それぞれ拙者に用があるというわけか、案内をしなさい」
吉原兵太郎はうしろにうな垂れていた。
「――――」
「おぬしの家内どもは居らんのか、あそびに出したというわけか」
「――――」
「どこに通ればよいのじゃ」
阿賀妻は重ねて、のしかかるようにそう云った。
一人の藩士が見兼ねて駈けあがった。彼は奥の間のふすまを開けて、閾ぎわに手をついた。
「設けの席か」阿賀妻はそう吐きだすのだ。
彼は藩士たちをしり目にかけて、古びたそこの奥座敷にはいって行った。行燈のすすけた灯が暗い部屋ににじみ出ていた。とこの間を背にして、座蒲団が置かれ、胴丸の手焙りにいけた炭火がいやに赤々と見えた。
「しばらくお待ち下さい」
襖がうしろで閉った。