Classiques japonais avec furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Lisez 福翁自伝 (ふくおうじでん) de 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 209 912 caractères · 402 écrans
著書飜訳一切独立
義塾三田に移る
ソコで政府を始め世間一般の有様を見れば、文明の教育稍々普ねしと雖も、中年以上の重なる人は迚も洋学の佳境に這入ることは出来ず、何か事を謀り事を断ずる時には余儀なく漢書を便にして、万事ソレから割出すと云う風潮の中に居て、その大切な霊妙不思議な漢学の大主義を頭から見下して敵にして居るから、私の身の為めには随分危ない事である。
著書飜訳一切独立又維新前後は私が著書飜訳を勉めた時代で、その著訳書の由来は福澤全集の緒言に記してあるから之を略しますが、元来私の著訳は真実私一人の発意で、他人の差図も受けねば他人に相談もせず、自分の思う通りに執筆して、時の漢学者は無論、朋友たる洋学者へ草稿を見せたこともなければ、況して序文題字など頼んだこともない。是れも余り殺風景で、実は当時の故老先生とか云う人に序文でも書かせた方が宜かったか知れないが、私は夫れが嫌いだ。ソンな事かた/″\で、私の著訳書は事実の如何に拘わらず古風な人の気に入る筈はない。ソレでもその書が殊更らに大に流行したのは、文明開国の勢に乗じたことでありましょう。
義塾三田に移る慶應義塾が芝の新銭座を去て三田の只今の処に移たのは明治四年、是れも塾の一大改革ですから一通り語りましょう。