Classiques japonais avec furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Lisez 福翁自伝 (ふくおうじでん) de 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 209 912 caractères · 402 écrans
醜声外聞の評判却て名誉
と唯可笑しいばかり。扨も/\卑怯なる哉、ソンな窮窟な事で人間世界が渡れるものか、世間の人が妙な処に用心するのはサゾ忙しいことであろう、自分は古人の教に縛れる気はないと、自から自分の身を信じて颯々と人の家に出入して、其処にお嬢さんが居ようと、若い内君が独り留守して居ようと、又は杯盤狼藉の常に芸妓とか何とか云う者が騒いで居ようと、少しも遠慮はしない。酒を飲で大きな声をしてドン/\話をして、酔えば面白くなって戯れて居ると云うような風であるから、或は人が見たらば変に思うこともありましょう。
醜声外聞の評判却て名誉ソコで或時奥平藩の家老が態々私を呼びによこして、扨云うよう、足下は近来某々の家などに毎度出入して、例の如く夜分晩くまで酒を飲で居るとの風聞、某家には娘もあり、某家は何時も芸妓など出入して家風が宜しくない、足下がそんな処に近づいて醜声外聞とは残念だ、君子は瓜田に履を結ばず、李下に冠を正さずと云うことがある、年若い大事な身体である、少し注意致したら宜かろうと、真面目になって忠告したから、私はその時少しも謝らない。左様で御在ますか、コリャ面白い。私は今まで随分太平楽を云たとか、恐ろしい声高に話をして居たとか云て、毎度人から嫌がられたこともありましょうが、併し艶男と云われたのは今日が生れてから始めて。