Classiques japonais avec furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Lisez 福翁自伝 (ふくおうじでん) de 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 209 912 caractères · 402 écrans
黒田公の原書を引取る
にして返さぬと云うのだから、酒屋でも少し変に思たと見え、内々塾僕に聞合せると、この節書生さんは中実の酒よりも徳利の方に用があると云うので、酒屋は大に驚き、その後何としても酒を持て来なくなって困た事がある。
黒田公の原書を引取る又筑前の国主、黒田美濃守と云う大名は、今の華族、黒田のお祖父さんで、緒方洪庵先生は黒田家に出入して、勿論筑前に行くでもなければ江戸に行くでもない、只大阪に居ながら黒田家の御出入医と云うことであった。故に黒田の殿様が江戸出府、或は帰国の時に大阪を通行する時分には、先生は屹度中ノ嶋の筑前屋敷に伺候して御機嫌を伺うと云う常例であった。或歳、安政三年か四年と思う。筑前侯が大阪通行になると云うので、先生は例の如く中ノ嶋の屋敷に行き、帰宅早々私を呼ぶから、何事かと思て行て見ると、先生が一冊の原書を出して見せて、「今日筑前屋敷に行たら、斯う云う原書が黒田侯の手に這入ったと云て見せて呉れられたから、一寸と借りて来たと云う。之を見ればワンダーベルトと云う原書で、最新の英書を和蘭に翻訳した物理書で、書中は誠に新らしい事ばかり、就中エレキトルの事が如何にも詳に書いてあるように見える。