Classiques japonais avec furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Lisez 福翁自伝 (ふくおうじでん) de 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 209 912 caractères · 402 écrans
剣を棄てゝ剣を揮う
剣を棄てゝ剣を揮う私が芝の源助町で人を斬ろうと決心した、居合も少し心得て居るなんて云えば、何か武人めいて刀剣でも大切にするように見えるけれども、その実は全く反対で、爾うではないどころか、日本武士の大小を丸で罷めて仕舞いたいとは私の宿願でした。源助町のときには成程双刀を挟して、刀は金剛兵衛盛高、脇差は備前祐定、先ず相応に切れそうな物であったが、その後、間もなく盛高も祐定も家にある刀剣類はみんな売て仕舞て、短かい脇差のような物を刀にして御印に挟して居たが、是れに就ても話がある。或日、本郷に居る親友高畑五郎を訪問していろ/\話をして居る中に、不図気が付て見ると恐ろしい長い刀が床の間に一本飾てあるから、私が高畑に向て、あれは居合刀のようだが何にするのかと問えば、主人の云うに、近来世の中に剣術が盛になって刀剣が行われる、ナニ洋学者だからと云て負けることはない、僕も一本求めたのだとリキンで居るから、私は之を打消し、「ソレは詰らない、君は之を以て威すつもりだろうが、長い刀を家に置て今の浪人者を威そうと云ても、威嚇の道具になりはしない。詰らぬ話だ、止しなさい。僕は家にある刀剣はみんな売て仕舞て、今挟して居るこの大小二本きりしかない。