Classiques japonais avec furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Lisez 福翁自伝 (ふくおうじでん) de 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 209 912 caractères · 402 écrans
是れは困た、今彼処で飲むと彼奴等が奥に行て何か饒舌るに違いない、邪魔な奴じゃと云う中に、長州生に松岡勇記と云う男がある。至極元気の宜い活溌な男で、この松岡の云うに、僕が見事に彼の女共を物干から逐払て見せようと云いながら、真裸体で一人ツカ/\と物干に出て行き、お松どんお竹どん、暑いじゃないかと言葉を掛けて、そのまゝ傾向きに大の字なりに成て倒れた。この風体を見ては流石の下婢も其処に居ることが出来ぬ。気の毒そうな顔をして皆下りて仕舞た。すると松岡が物干の上から蘭語で上首尾早く来いと云う合図に、塾部屋の酒を持出して涼しく愉快に飲だことがある。
又或るとき是れは私の大失策、或る夜私が二階に寝て居たら、下から女の声で福澤さん/\と呼ぶ。私は夕方酒を飲で今寝たばかり。うるさい下女だ、今ごろ何の用があるかと思うけれども、呼べば起きねばならぬ。夫れから真裸体で飛起て、階子段を飛下りて、何の用だとふんばたかった所が、案に相違、下女ではあらで奥さんだ。何うにも斯うにも逃げようにも逃げられず、真裸体で座ってお辞儀も出来ず、進退窮して実に身の置処がない。奥さんも気の毒だと思われたのか、物をも云わず奥の方に引込で仕舞た。