Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
やそうざっき・やちょうざっき
野草雑記・野鳥雑記
柳田 国男
Lisez 野草雑記・野鳥雑記 (やそうざっき・やちょうざっき) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 016 caractères · 284 écrans
この鳥の足が片方は黒く、片方は白いのは、よごれた股引を半分脱ぎかけたまま、飛んで行ったからであるという(『南総の俚俗』)。おくらが自分の子をクラッコと喚んであるくのも妙だが、この話は決して突如として始まったものではなかった。隅田川・桜川・柏崎・三井寺等の十数篇の謡曲を始めとして、近くは駿州の姥ヶ池、下野足利の水使の淵、または仙台の小鶴が池の伝説の如く、子を失った親の悲しみを取扱った民間の文芸ほど、久しくもまた力強く、我々の心を支配したものはなかったのである。その中でも鷲がつかんで遠くの国まで、連れて行った子が成長したという昔話などは、次々形を変えて千年以上も続いている。それを忘れかけてはまた幽かに思い出し、そうして新しい話に語りかえて行く機縁が、やはりこの折々の鳥の声であったとすれば、人間は決して書物に書き誌され、もしくは学者に説明せられることのみによって、祖先の思想感情を相続していたのではなかった。いかに時代が進み人の心が改まっても、到底絶ち切れない親子の縁、生を隔てて相思う骨肉の情愛の如きは、むしろこういう天然の記録によって、文字を解せざる万人に読みかつ嘆かれていたのである。