Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
やそうざっき・やちょうざっき
野草雑記・野鳥雑記
柳田 国男
Lisez 野草雑記・野鳥雑記 (やそうざっき・やちょうざっき) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 016 caractères · 284 écrans
六
大和の郡山の旧城跡、三笠・春日と向き合いの暖い岡に、広い池を幾つも掘って、この中に孵化する金魚の子の数は、百万が単位である。その飼主の柳沢伯が、世に知られた統計学者であるのも、何だか渋い皮肉のように感ぜられる。
この池の中から町の金魚屋が、小さなタマを以てやたらにすくい上げ、荷桶に入れて担い出すときに、やっとの事で金魚の微弱なる生存の価値は発生する。それから次々に山坂を越えて、関東の田舎まで運ばれるに至り、始めてカワセミに対抗して主張せらるべき、何物かが現われるのである。本源に溯れば利欲に専らなある商人、ないしは物ずきの殿様があるために、美しい翡翠たちが楽には取って食うことを許されず、困窮することにもなるのである。どちらが弱肉だか知れたものではない。
六
しかしそんならそうかといって、丸々カワセミの放恣を黙認することも、出来ない世の中にもうなってしまった。たしか幸堂得知の句であったが、
幾ら食うものか棄て置け稲雀
江戸座の俳諧にはいつも敬服すべき軽妙はあるが、その代り村の生活に対する同情は不足であった。もしこうして雀の食いしん坊を寛容したなら、全国の秋において二三百万石の収穫は違うだろう。