Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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やそうざっき・やちょうざっき

野草雑記・野鳥雑記

柳田 国男

Lisez 野草雑記・野鳥雑記 (やそうざっき・やちょうざっき) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 016 caractères · 284 écrans

Aozora Bunko

五

東北には特にこの類の鳥の話が多い。その一つは南会津の山々に啼くモナクナ鳥、これなども啼く声がちがうから別な鳥だろうと思うが、やはりまた父を尋ねに行った猟師の話になっている。昔この辺の村に老いたる狩人があって、元七・黒七という二人の子供を持っていた。父は山に入って大岩に打たれて死んだのを知らず、その二人の子が山へ探しに出て、これも終に還って来なかった。その魂魄が化して鳥となり、今でもモナークナーと啼いて山中を飛びまわるといっている。モナクナは即ち元七・黒七の呼名らしいから、あるいは父の方が子を尋ねているのかも知れぬが、話はとにかくこう伝わっている(『話の世界』大正九年六月号)。人が鳥になることが実際はない事だとすれば、少なくともある一つの鳥の話を聴いて、親子相慕うの情を聯想する習性が、北と南との住民に共通していたという、証拠にはなるのである。

五

しかもその中間にも飛び飛びの例があるから、単なる偶然の一致とは言われないのである。瀬戸内海では讃岐の小豆島などにおいて、梟のことをヨシトクといっているが、これにも半分まで同じ話がある。昔ある村に母と二人の娘が住んでいて、その娘の名は姉がヨシ、妹がトクであった。