Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
やそうざっき・やちょうざっき
野草雑記・野鳥雑記
柳田 国男
Lisez 野草雑記・野鳥雑記 (やそうざっき・やちょうざっき) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 016 caractères · 284 écrans
六
それで自分も死して鳥となり、空高く上って常に水の在処を探している。そうしてその啼く声は、ミズハホントニクレタンネと、いうのだとも語られている(『小谷口碑集』)。同じ信州でも木曽川の流域に入ると、これがまた水恋鳥の話になっていた。水恋鳥は前生馬を乾し殺した罰で、鳥になって一生水に恋い焦がれて飛びまわらねばならぬ。せっかく流れや水溜りを見つけても、自分の胸の毛の赤い色が水に映り、火のように見えるので飲むことが出来ない。それ故にいつも空に向って雨を喚んで啼くのだといっている。武蔵に接した相模の山村においてもこの水恋鳥を「博労のかか」といっている。昔この鳥は邪見な女で、夫の留守に水もくれなかったために馬が渇して死んでしまった。その罰で鳥になったと言って、それから後段は木曾と同じ話である(『相州内郷村話』)。
六
全体に夕方や雨の前に啼く鳥の声は、何となく物悲しく聴えるものだが、殊に水恋鳥のヒョロロンヒョロロンと啼くのは、あの世のたよりのように感じられるという人が多い。それだから自然にこの類の話も出来たのであろうが、不思議なのはこの馬を粗末にした報い、そうでなければ親不孝の罪でという風に、原因がおおよそ定っていたことである。