Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ゆきぐにのはる

雪国の春

柳田 国男

Lisez 雪国の春 (ゆきぐにのはる) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 136 000 caractères · 266 écrans

Aozora Bunko

人間の心情がその不断の影響に服したのは意外でない。

その上に双方ともに、春が飽きるほど永かった。世界のいずれの方面を捜してみても、アジア東海の周辺のように、冬と夏とを前うしろに押し広げて、ゆるゆると温和の季候を楽しみうる陸地は、多くあるまい。これはもとより北東の日本半分においては、味わいあたわざる経験であったが、花の林を逍遥して花を待つ心持、または微風に面して落花の行くえを思うような境涯は、昨日も今日も一つ調子の、長閑な春の日の久しく続く国に住む人だけには、十分に感じえられた。夢の蝴蝶のおもしろい想像が、奇抜な哲学を裏づけたごとく、嵐も雲もない昼の日影の中に坐して、何をしようかと思うような寂寞が、いつとなくいわゆる春愁の詩となった。女性にあってはこれを春怨とも名づけていたが、必ずしも単純な人恋しさではなかった。また近代人のアンニュイのように、余裕の乏しい苦悶でもなかった。獣などならばただ睡り去って、飽満以上の平和を占有する時であるが、人には計算があって生涯の短かさを忘れる暇がないために、むしろ好い日好い時刻のあまりにかたまって、浪費せられることを惜しまねばならなかったのである。