Classiques japonais avec furigana
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したやそうわ
下谷叢話
永井 荷風
Lisez 下谷叢話 (したやそうわ) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 122 971 caractères · 246 écrans
十一月二十七日に安政と改元せられた。冬至の夜枕山は安積艮斎、雄禅禅師の二人と共に目白台に住した書家藤田惇斎の家に招がれた。席上の作に、「年年至日酔君家。」〔年年至日君ガ家ニ酔フ〕といい「名帖宝絵紛無数。」〔名帖宝絵紛トシテ数フル無シ〕というを見れば、惇斎は家貧しからず古書画をも多く蔵していたと見える。惇斎、名は金良、字は温卿、惇斎はその号。一に顛顛道人と号し、通称を啓次郎という。枕山が同人集第三編に「温卿ノ書ハ帖ノ出ルゴトニ輙唐宋ノ名家トソノ工巧ヲ争フ。マタ元ノ人顧玉山ノ風ヲ慕フ。」と言ってある。
この年幕府はいよいよ英米露の三国と仮条約を締結したので国論はますます沸騰した。然るに枕山の依然として世事に関せざる態度は「偶感」の一律よくこれを言尽している。「孤身謝俗罷奔馳。且免竿頭百尺危。薄命何妨過壮歳。菲才未必補清時。莫求杜牧論兵筆。且検淵明飲酒詩。小室垂幃温旧業。残樽断簡是生涯。」〔孤身俗ヲ謝シ奔馳ヲ罷ム/且ツ免ル竿頭百尺ノ危キヲ/薄命何ゾ壮歳ヲ過ユルヲ妨ゲンヤ/菲才未ダ必ズシモ清時ヲ補ハズ/求ムル莫カレ杜牧ノ兵ヲ論ズルノ筆ヲ/且ツ検セヨ淵明ノ飲酒ノ詩ヲ/小室幃ヲ垂レテ旧業ヲ温ム/残樽断簡是レ生涯〕