Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ごべんのつばき
五瓣の椿
山本 周五郎
Lisez 五瓣の椿 (ごべんのつばき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 149 721 caractères · 296 écrans
「こっちへいらしって」とおりうはあまえたしなで云った、「――少しめしあがれば気が晴れてよ」
蝶太夫は膳の側へ来て坐り、こっちでやります、と云って汁椀をあけた。そして、おりうの酌ももどかしげに、ぐいぐいと酒を呷り、冷のほうへも手を出しながら、休みなしに饒舌りだした。仲次郎とのいきさつを、うまく云いくるめようとするらしい。だが、やがてまた思いだしたように、「五十両」の話をどうして知っているのか、と不審そうにおりうに訊いた。いいじゃないのそんなこと、もう済んだことだものお忘れなさいな、とおりうはそらした。
「しかし私はそれじゃあ済まない」彼は腫れた眼を手で押えながら云った、「金のことは私と六の話で、ほかに知ってる者はない筈なんだから」
「そんなに気になって」おりうは微笑した。
「じらさないで云って下さい、どこで、誰から聞いたんです」
「佐吉よ」とおりうがゆっくりと云った、「もと中村座の桝屋にいた、出方の佐吉、これでわかったでしょ」
「佐吉を、――知ってるんですか」
「中村座へ見にゆくときは、佐吉が係だったのよ」とおりうは答えた、「ここ二年ばかりは飽きちゃって、芝居は覗きもしなかったんだけど、半月ばかりまえかしら、道で佐吉に会ってお師匠さんの話が出たの」