Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ごべんのつばき
五瓣の椿
山本 周五郎
Lisez 五瓣の椿 (ごべんのつばき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 149 721 caractères · 296 écrans
「怒るなよ、世の中のことは怒るやつが負けだぞ」おかねが去ると、彼は口を歪めてそう呟いた、「――藤井はあいつの古い馴染だ、あいつが万清楼の女中をしていたときからできていたらしい、そのくらいのことが見えないおれとでも思っているのか」
得石は手提を取って紐を解き、中から矢立と小さな帳面を出した。そこへお初という小女が、炭取と十能を持ってあがって来、お帰りなさいまし、とお辞儀をしてから、火鉢へ火を移しにかかった。得石はふきげんに、下へいったらおかみさんに、帳合をするから来るように云ってくれ、と命じた。お初は承知して去り、次に茶を持って来たが、おかねの来るようすはなかった。――晦日と十一日、二十一日は帳合の日である、平松町へもまわらなければならないし、五時には吉田屋に約束がある。どういうつもりだ、と彼は舌打ちをし、怒ってはいけないと自制しながら、手を叩いた。
あがって来たのはお初であった。
「おかみさんはどうした」彼は穏やかに云った、「帳合をすると云ったんだろう」
「はい」お初はまるい頬をまっ赤にした、「そう云ったんですけれど、おかみさんはいまちょっとあれですから、もう少しお待ち下さいって仰しゃってます」