Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ごべんのつばき

五瓣の椿

山本 周五郎

Lisez 五瓣の椿 (ごべんのつばき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 149 721 caractères · 296 écrans

Aozora Bunko

五

「人殺し兇状の疑いだ」と千之助は云った、「この半月ばかりのあいだに、料理茶屋で人殺しが二件あった」

「人殺し」と清一が笑った、「冗談じゃあねえ、それはまたとんだ」

「清さん」と娘がやわらかに遮った、「御用のことですから、温和しく聞いていて下さいな」

男は不服そうに黙った。

倫という娘は、眼の隅で女中を見た。千之助は仔細を話してい、おはなは気まずそうに、隅のほうで身をちぢめていた。

五

千之助とおはなが去ったあと、清一は一人で面白がって、いまの出来事を肴にしながら飲みだした。

「お倫さんに人殺し兇状の疑いをかけるなんて、あの与力の眼はよっぽどどうかしている、これが男ころしとでも云うのなら見当は合うがね」

「清さんって屹としたところがあるのね」とお倫は酌をしてやりながら云った、「町方与力っていえばたいへんな威勢があるんでしょ、それを清さんは平気な顔で、ひらき直っていざを云うんですもの、あたしどうなるかと思ってはらはらしちゃったわ」

「与力だって町奉行だって」と清一は膝へ手を突っ張って云った、「悪い事をしない限り恐れるこたあありゃあしないさ、蔵前の店へいってごらん、ああいう侍がよく金を借りに来て、番頭なんかにお世辞を使ってるから」