Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ごべんのつばき

五瓣の椿

山本 周五郎

Lisez 五瓣の椿 (ごべんのつばき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 149 721 caractères · 296 écrans

Aozora Bunko

「たいへんだったわねえ」およねは溜息をついて云った、「――でもあなたの云うとおりよ、あんな人にみれんを持っていたら、それこそ一生をめちゃめちゃにされてしまうわ、女だって自分の産んだ子の一人や二人そだてられないことはない、田舎へ帰って立派にそだてあげて、そういう人でなしを見返してやるがいいわ」

そしておよねは袱紗包みをあけ、金二十両と、小粒で二両を合わせ、紙に包んでさしだした。おつるはあっけにとられて見ていたが、自分の前にさしだされたので、首を振りながらしりごみをした。

「これでは足りないけれど、手土産くらいは買ってゆけるでしょう」とおよねは云った、「これを持って一日も早く田舎へお帰りなさい、ちっとも遠慮することはないのよ」

「どういうわけですか」おつるは訝しげにおよねを見た、「こんなたいまいなお金を、見ず知らずのあたしにどうして下さるんですか」

「あたしも女だからよ、女同士であんたの苦労がよくわかるし、このお金はあたしには要らないからよ」

「あなたはあたしを」

「いいえなにも云わないで」およねは袱紗をたたみながらかぶりを振った、「いまは意地にこだわったりみえを張ったりするときじゃないわ、それは当然あなたが受取っていいお金よ、お子たちのためにもすなおに取ってちょうだい、わかるわね」