Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

けんなんじょなん

剣難女難

吉川 英治

Lisez 剣難女難 (けんなんじょなん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 243 807 caractères · 482 écrans

Aozora Bunko

その後お延が、投げ槍小六と一緒に、流転の境涯をつづけながら、心だけは、幾年たッても、新九郎を忘れずに今日まで一念で来たことは、紀州屋敷で会ってから、この扇屋へ落ちついた晩に、お延の口から艶かしく話された述懐だった。

中年の恋が叶って、盲目的となったお延が、じぶんの実意を見せるために、笊組の一門や、大月玄蕃、投げ槍の小六などを、欺し討ちにする手曳きをしよう、と云い出したのはその翌日のこと。

向うで、奸策を巡らしている裏をかいて、こっちから不意討ちを仕掛けるのは妙だと、新九郎も乗り気になり、お延はその為に、時々浅草へ帰って様子を窺った。そして、今日の昼もちょっと扇屋へ姿を見せて、

「新九郎さん、うまい機が見つかったよ。臂の久八が、今夜この先の丹前風呂へ、みんなを連れて遊びに来るというんで、私にも一緒に来いと云ったから、帰る時刻になったらまた知らせに来るよ。だからお前さんは、それまでにしっかり身支度をして待っていておくれ、なアに、対手は大勢でも、私がうんと飲まして置くから大丈夫――」

と新九郎に囁いて帰ったのだ。

お延が、それまでに打ち込んでいる仔細を話されて、こんがらもせいたかも初めて安心した。