Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
Lisez 剣難女難 (けんなんじょなん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 243 807 caractères · 482 écrans
」
「殿様は先程中屋敷へお越しになって、後は一同へご酒下され、ご家老の溝口様も村松様も大分破目をはずしたらしいから、今夜のご酒宴は、今が盛りの頃だろう」
「それを思うと吾々は、殿様を中屋敷へお送りした上、手銭手酌で、味気ない安酒宴のご満悦が下らなくなるな。アア巧く一つご指南番にでもなりたいものだ」
「はッははははは、腕前さえあれば、百石千石も望み次第、遠慮なしになるがよいではないか」
「なれぬと思うて嘲弄するな、不肖ながら秋山大助、今でこそ足軽を致しているが、一朝事ある場合には」
「楊子削りの腕前で、拾い首ぐらいはして見せるか。わはははははは」
足軽組の方でこんな声が湧き立った時、その話を耳にして、片隅からひょいと後ろを振顧った一人の浪人がある。
見ると、外桜田から姿を消した新九郎だ。
さっきは酒の気がなかったと思うと、今はもうここで一升あまりペロリと飲って、耳朶を桃色に染めている。
「アアいけねえ、少しこぼれて来やがった……」
とば口にいた仲間態のが呟いた。
「なに降って来たか?」
今までしきりにしゃべっていた足軽の秋山大助という男。それを聞くと何か用事を思い出したと見えて、そそくさと、壁に吊るしてあった合羽を引っかけ、竹の子笠を申訳に頭へ乗せてヒョロヒョロ門を出て行く様子。