Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

けんなんじょなん

剣難女難

吉川 英治

Lisez 剣難女難 (けんなんじょなん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 243 807 caractères · 482 écrans

Aozora Bunko

五

「お訊ねのまま、狂人がましき修業のわけをお話し仕りましたが、二度まで対手に不覚をとっている始末、何とも面目がござりませぬ。必ず里の者へも、この儀はご吹聴下さらぬように願います」

導かれて、ここへ来た新九郎とこんがらは、左典の前に額ずいて、問わるるままに、つい大願苦行の目的を洩らしてしまった。

よそながら、常に新九郎の様子へ眼をつけていた老禰宜の左典、今日も、通りがかりに自斎と彼との試合を見ていたので、聞くごとに頷いて、さて、静かにこう言った。

「わしも若い頃は、少し木剣いじりを致したことがあるので、剣道の奥儀というものに達し難いことだけは知っている。殊に、播州船坂山の鐘巻自斎と言えば、富田流三家と言われた名人の随一、まず尋常一様なことで、彼に打ち勝つことのできぬのは道理でござる」

「では、如何なる苦行を積み、琢磨の功を経ましても、所詮この大望は遂げられまいと仰っしゃりますか」

「さればさ……」

左典は何か思案顔に、童顔の眦を神々しくふさいで、夕星のきらめきだした空を仰ぐ。

拝殿の破れ神簾のかげに、今二つの御灯がついた。榊葉のかげに光る鏡を掠めて、下げ髪水干の巫女が廊下の上へ静かに姿を立たせた。