Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 197 228 caractères · 394 écrans

Aozora Bunko

ついに、彼の番になった。

いきなり甲冑の武士の手が、左右から彼の肌を撫でた。髪の根を探ったり懐中へ手を突っこんだりした。強右衛門は阿呆のように口を開いていた。

「人夫か」

「へい」

「どこだ」

「へい。何がで」

「たれの手に従いて、どこの組の者かと訊くんじゃ」

「庄助って、申しますだ。岩村の衆と一緒に来たんで、岩村組におりまする。へい。岩村組の」

「もういい」

「へい」

「――通れッ」

背の軽桟を突きとばされて、よろよろと、強右衛門は柵の中に入っていた。ほっとした余り、少し戸惑っていたとみえて、彼が歩き出すと、

「おいおいッ、馬鹿ッ、何処へゆく気だ」

と、鞭を持って牛馬や人夫を督している荷駄隊の兵に、そのうろたえを呶鳴りつけられた。

馬の背の叺、牛車のうえの穀俵などを、陣屋の兵站部へ担ぎ込むのだった。

兵は殺気立っている。鞭で人夫を撲るぐらいは物の数でない。

「傍見ばかりしているなッ」

強右衛門も、幾度か背や尻を打たれた。――だが、打たれている間は安心であった。

「飯だ。飯小屋へ集まれッ」

もう宵闇。大釜の火だけが赤い。そのまわりに立ち群れて、人夫や百姓たちはがつがつ飯茶碗を持ち合い、汁の杓子を争っていた。