Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 197 228 caractères · 394 écrans
突然、声を上ずらせて、
「――では、では、なんと仰せられますか。てまえの一命を、お助け下さるのみか、御直参に、お召し使い下さると仰せられますので……」
と、強右衛門は、われを忘れて身を前へにじり寄せた。後ろ手に縛られているので、両手をつかえたいにもままにならないのが、もどかしそうに見えた。
「承知か。否やはないか」
勝頼は、念を押した。
「お戯れでなければ――願うてもない幸せ、あまりの欣しさに、夢ではないかと、お答えするにも、まごつく程にござります」
「そちのような者でも、やはり一命は、惜しいものとみえるの」
「幼少の頃、寺にやられておりまして、朝夕に、死を見ておりましたせいか、人は一度は死ぬものと、頭に沁みておりますゆえ、こよい、お縄目をうけた刹那から、一切を諦めておりましたが……ただ今、甲州へ随身なせば、生命も助け、高禄もやるというおことばを、耳に聞くや否、急に死ぬのが怖くなりました。――あわれや、わが家に残してある妻や子たちにも、もう一度、会いたくなって参りました」
「正直なやつ。……さこそあらめ。これこれ強右衛門」
「はい。……はい」
「慾のないことを申すな。