Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 197 228 caractères · 394 écrans

Aozora Bunko

病人の半兵衛が主君へ宥わろうと努めている思い遣りを、秀吉も同じように臣下の彼へ努めぬいているのであった。

「……ふと、ここに坐って、沁々感じることは、心身二つにして一つのものを、常に明澄な一体として生き持つことの難しさだな。いやもう、合戦とは忙しないもの、また人間を粗雑にもする。その意味でも、今日はたいへん落着いてうれしい。何やら気が澄んで肚の底に、良い覚悟がすわりそうな心地がして参った」

「閑の身境、寂の心境。やはり人間には、尊いものに相違ございません。けれど、まったくの閑人となっては、その効もありません。空寂というべきです。殿には心身ともに今、生死の裡にあって、忙また忙の寸暇なきお体でありますゆえ、ふと、こういう小閑の一瞬が、たいへんな霊薬となるのでございましょう。……それにひきかえて、半兵衛ごときは」

と、また病躯を責めて、詫び入るらしい気ぶりを抑えて、秀吉は彼のことばを不意に奪った。

「ときに、噂を聞いたか。摂津守の暴挙を。あの荒木村重が、ばかな真似をしでかしおった噂を」

「はい。昨夜、人が参って、くわしく承りました」

さして大事件ともしていないらしく、半兵衛はそう答えて眉もうごかさなかった。