Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 197 228 caractères · 394 écrans

Aozora Bunko

斬ってしまえ、という。

いや殺してはならん、という。

憎いやつ。

と憤るもあるし、

いやいやここは。

と宥めぬく声もする。

要するに、官兵衛をひき出して血まつりとすべしというのと、殺しては却ってよくないという説とのあいだに、村重は、板ばさみとなって、そのどっちへも決断を執りかねている様子だった。

――が、結局、殺すにしても急ぐにはあたるまい、というところに落着いたらしく、村重以下、がやがやと跫音も遠く去って行った。

「……割れているな」

その一事から視て、官兵衛はすぐ全城の空気を察した。

城頭の旗に反信長をあきらかとしていながら、いまだにその屋根の下では、戦うべしといきまく者と、妥協すべしという者とが、事ごとに葛藤し相剋している実状が、眼に見るごとく読みとれる。

自分を、殺せといっていたのは、主戦派であろう。殺すな、と争っていたのは、妥協組とみて間違いはあるまい。

そう二つを、一つ胸に持って、のべつ焦々しているのが、荒木村重だといえよう。――こういう抗争に引きずられ引きずられつつ、彼は、信長の正式な使者も追い返し、刻々の軍備もすすめ、今また自分を投獄したものと思われる。