Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 197 228 caractères · 394 écrans

Aozora Bunko

いかに秘しても、信玄の喪は諸国に洩れた。機逸すべからずである。――上杉は急撃して来た。小田原の北条も態度がちがって来た。なおさらのこと、織田、徳川など、隙さえあれば、領界から侵犯して来る。

偉大な父をもった子は楽ではない。――勝頼はいまさらにそうした立場に置かれた。

しかもなお、彼は父の名を辱めていなかった。

どこの戦でも、五分に戦うか、かならず利を得て帰った。

だから、近頃はまた、

(――信玄が死んだというのは嘘かもしれぬ。やがて、何かの大機会に、晴信入道信玄ここにありと、忽然、世にあらわれてくるのではないか)

と、いうような疑心暗鬼のうわさが、諸国にみだれ飛んでいるくらいだった。

以て、彼がここ三年の、信玄亡きあとの努力と経営は窺われる。

「御出陣の前に、美濃守どのと、昌景どのが、しばしの間、お目通りを仰ぎたいと、申し出られておりますが」

はや立とうとしていた折である。穴山梅雪から勝頼へこういう取次があった。

馬場美濃守も山県昌景も、ふたりとも父以来の功臣である。勝頼は、ふとこう訊ね返した。

「両名とも、出陣の身支度は、ととのえておるか」

「鎧うておられます」