Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 197 228 caractères · 394 écrans
家康の子、徳川信康がいま守っている岡崎の財吏に、大賀弥四郎なる者がいる。
その大賀は、以前から自分を通して、武田家に内通し、お館におかれても、ふかくゆるしておられる。
おととい躑躅ヶ崎に来た使いは、その大賀弥四郎から密書をたずさえて来たもので、「機はいまや熟した」と報じている。
何となれば。
この二月以来、信長は入洛していて、岐阜は留守だし、加うるにその以前、信長が長嶋門徒の剿滅にかかったとき、家康から援軍を送らなかったので、二国同盟の信義も、このところ少しおもしろくない感情に疎隔されている。
いま甲軍の疾風のごとく、三河に出て、作手あたりまで攻めて来るなら、大賀は岡崎にあって、内部を攪乱し、城門をひらいて甲州勢を迎え入れよう。――そして信康を刺し、多くの徳川方の家族を人質に捕えて、そこを足場に、浜松を攻めれば――浜松の将士もまた、続々降を乞うて、味方に走ってくることは疑いもない。家康はきっと、伊勢か美濃路へでも逃げ退くことになろう。
「どうです、これこそ、天来の福音ではござるまいか」
大炊はすべてが、自分の画策であるかのように誇って話した。
ふたりは、もう何もいうことを欲しなかった。