Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 176 911 caractères · 353 écrans

Aozora Bunko

(小さかしい女童め。なにをいうか)

と、於通の唇もとを、睨めすえたが、於通は、生まれつきな叡智に澄んでいる眼を、よけいに澄まして、

(ほんとに、似ていらっしゃる)

と、いわぬばかりに、なお、じっと、秀吉の顔を見てばかりいた。

秀吉は、ひそかに、かれの体験にない、おそれを抱いた。

かれは、自分の視力というものに、由来、非常な自信をもっている。

いかなる現下の梟雄でも、手におえない豪傑たちでも、かれと談笑のうちに、ふと、眼をカチ合わせるときは、十人が十人とも、その視線を、横にそらすか、伏せるかして、よく秀吉の正視に耐えて、長く、ひとみを射返し得る者はすくない。

信長の亡きあと、かれの眸の威は、清洲会議でも、満座を圧し、山崎、賤ヶ嶽の合戦でも、柴田、滝川の輩をまったく射すくめて来たものだった。――そして、きょう、ここにまた――東海の惑星といわれ、天下の大器とも視られて、秀吉にとっても、このさき第一のやっかい者と考えられている徳川家康の大軍と、伊勢一円の北畠信雄の兵力、あわせて六万余の陣する小牧山の敵塁にたいしても、かれは、

(――家康、何かあらん)

と、心のうちは、どうあろうと、すくなくも、その眼は、敵を呑むの概をもって、らんらんたるかれの生命力、戦闘力を、たたえているものであった。